錦鯉の里

錦鯉のメッカ、新潟県・小千谷市では、毎年、春と秋に錦鯉の品評会が開催され、全国各地、さらには海外からも本場の錦鯉を鑑賞しようと、たくさんの愛好家が訪れる。
小千谷市の「錦鯉の里」は、愛好家に限らず、誰でも気軽に日本の国魚・錦鯉を鑑賞できるように建てられた施設で、大小の滝と橋を配置した池に泳ぐ錦鯉を楽しんだり、展示ホールで錦鯉の歴史や品種・飼育方法などを学ぶことができる。優れた錦鯉を集めた鑑賞池では入場者が錦鯉に餌を与えることもできる。
新潟県中越地震で、この錦鯉の里も大きな被害を受けたが、関係者の努力によって2005年8月1日から営業を再会した。今回は、錦鯉の里の管理を担当している(財)小千谷産業開発センターの平沢勝佳さんに、この施設の紹介をしていただいた。
(取材日:2005年7月15日)


平沢勝佳さん この錦鯉の里は錦鯉を国内外を問わず、できるだけ多くの方に知っていただこうということで作られた小千谷市の施設で、(財)小千谷市産業開発センターが管理を請け負っています。資料展示室の他に、室内に180トンの飼育池と、それと別に庭には4つの池を設けてあります。この施設は、あくまで観光施設であって錦鯉やそれに関わる歴史であるとか学術的なことを研究したり調べたりする役割は全くもっていません。全日本錦鯉振興会とか、色々な組織や企業の方々に協力していただいて、観光施設として錦鯉をより多くの方に知っていただき、興味をもっていただくための情報や環境を備えているという場所です。
私自身、錦鯉のプロではありませんから色々と本を読んだりして勉強しているんです。

この施設ができたのは平成元年(1989年)ですから、もう16年目になります。今では年間約35,000人ほどのお客さんにご来館いただいています。錦鯉を目的に来られる方は、やはり秋が多いですが、それ以外の目的で小千谷に来られた観光客が立ち寄られるケースも多いですから、春、ゴールデンウィーク、夏休みの期間も来場者は多いですよ。海外から来られる方は年間800人程度でしょうか。半数以上の方が錦鯉を目的に小千谷に来られた方ですね。小千谷は錦鯉だけでなく、小千谷ちぢみ、つむぎといった織物や、鉄工とか仏壇とか、食品などの地域の物産もありますし、この施設の向かい側には小千谷市総合産業会館プラザがあって、そういった物産の展示や即売もやっていますから、そこからの集客もありますね。

館内の池の様子この錦鯉の里は、フルシーズンいつでも鑑賞池で錦鯉を楽しんでいただけることが一番の売りですね。生産者を訪問しても野池にいる鯉は見ることができませんし、やはり生産現場ではなかなか観光客の都合で勝手に見ることは難しいですから、その点この施設では時間を気にせずゆっくりと錦鯉を楽しんでいただけますし、錦鯉に対する好奇心を満足していただけるだけの情報も備わっていますから大いに活用していただきたいですね。

ここでご覧いただける錦鯉は私どもの予算の範囲内で小千谷市の生産者組合から購入したものと、オーナー制度といって特定のオーナーからお預かりしているものとありまして、いずれの場合も健康管理をきちんとした上で展示しています。品評会で受賞したクラスの錦鯉もかなりいますよ。日本庭園の池ではオーナーからお預かりしている紅白、大正三色、昭和三色など約200尾が、室内の鑑賞池では小千谷市の所有財産として購入した素晴らしい錦鯉約100尾が泳いでいます。
通常は養鯉業は水産業に分類されるんでしょうが、小千谷市では錦鯉は市の商業振興の基幹産業として考えているんです。何と言っても錦鯉は小千谷市が世界に誇る伝統産品ですから。
どうか、新潟にお越しの際は小千谷市の錦鯉の里に足を運んでください。お待ちしています。
【錦鯉の里】
錦鯉の里外観
  • 住所:新潟県小千谷市城内1-8-25
  • 電話:0258-83-2233
  • 開館時間:(3月〜11月)午前9時〜午後6時(12月〜2月)午前9時〜午後5時
  • 休館日: 12月29日〜12月31日、1月1日〜1月3日
  • 入館料金: 小中学生300円(団体)250円/大人500円(団体)400円小学生未満無料

  • 【アクセス】

  • 電車
    JR小千谷駅から越後交通バス十日町行きで10分、本町中央下車徒歩2分

  • 関越自動車道小千谷ICから国道291号を小千谷市街方面に1.5Km走った本町2交差点を左折、300m走った城内交差点を右折。