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Mr.Tepsit |
【コメント】
歴史に名を残す銘鯉の条件は、「体・質・模様」を備えたうえで、いかに美しく個性的にその3点を表現しているかにかかっています。全体総合優勝を飾ったこの鯉は、一見どこにでもいそうな鯉だと思ってしまいますが、「体・質・模様」それぞれが美しく個性的な銘鯉です。
体は、大きな頭部から太い尾筒まで伸びやかで一分の狂いのない堂々とした容姿で、63部でありながら100部の鯉に見えるほどの風格があります。この体を持てば将来間違いなく100部の大きさまで成長すると思うので、とても楽しみです。
質は、紅白の命でもある「白肌の質」が優れ、背の白帯の純白さが顔から尾部にかけて描かれた緋模様を華麗なまでに引き立てています。また、緋質も、極上質の厚い緋盤であり、どこをなぞっても一分の狂いもにじみもない白と緋の境界線を持ち合わせており、最高の白肌の質と緋質を同時に見ることが出来ます。
模様は、値千金の「太い尾止め緋」と大きな緋模様が、「計算し尽くしたデザイン」を作り出しています。他を圧倒する顔から背いっぱいに広がる大きな緋盤と、明るさと品位を表現するため白地を多くとって変化を加えた後半の段模様。白地を均等に割り振ったため弱くなった後半もどっしりとした「太い尾止め緋」があることで、前半の大きな緋模様とのバランスをとり、大きく体いっぱいに描かれた模様を素晴らしいものにしています。
今年の大会総合優勝の錦鯉は、どこにでもいそうな鯉ではなく、最高の体、最高の質、最高の模様を兼ね備えた、非凡な銘鯉中の銘鯉なのです。
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