第25回錦鯉全国若鯉品評会入賞者速報
第24回錦鯉全国若鯉品評会第25回錦鯉全国若鯉品評会が4月21(土)、22日(日)の二日間、新潟県小千谷市で開催されました。

この品評会は、全日本総合錦鯉品評会、(社)全日本愛鱗会全国大会と並び日本三大品評会と評され、全国各地から体型63cm以下の将来性豊かな若鯉が集まり、その美しさを競い合います。今回は、「新潟県中越地震復興記念大会」と称して新潟で行われ、被災地新潟から震災後に誕生した若鯉が数多く出品されるなど、例年以上に活気に溢れた大会となりました。

今回大会は、タイの愛好家が総合優勝を獲得し、錦鯉が世界中に広がっていることを実感できる大会となりました。
今回、総合優勝を飾ったMr. Tepsitさんには心からお祝い申し上げます。

総合優勝に輝いた4尾の錦鯉は写真とコメントを、国魚賞、種別日本一に輝いた30尾の錦鯉は写真と共に、各賞の受賞結果をお知らせします。名実ともに世界大会となったこの大会で受賞した若鯉が、今後どのように成長し、その美しさを増していくか注目です。


2007年4月21日(土)22日(日)開催
主催:全日本錦鯉振興会 担当・新潟地区
後援:新潟県・長岡市・小千谷市・魚沼市・川口町・(社)新潟県錦鯉協議会JA越後おぢや


大会総合優勝
品種区分/部別 紅白/第63部 大会総合優勝
受賞者(国) Mr.Tepsit(タイ)
Mr.Tepsit
Mr.Tepsit

【コメント】

歴史に名を残す銘鯉の条件は、「体・質・模様」を備えたうえで、いかに美しく個性的にその3点を表現しているかにかかっています。全体総合優勝を飾ったこの鯉は、一見どこにでもいそうな鯉だと思ってしまいますが、「体・質・模様」それぞれが美しく個性的な銘鯉です。

体は、大きな頭部から太い尾筒まで伸びやかで一分の狂いのない堂々とした容姿で、63部でありながら100部の鯉に見えるほどの風格があります。この体を持てば将来間違いなく100部の大きさまで成長すると思うので、とても楽しみです。

質は、紅白の命でもある「白肌の質」が優れ、背の白帯の純白さが顔から尾部にかけて描かれた緋模様を華麗なまでに引き立てています。また、緋質も、極上質の厚い緋盤であり、どこをなぞっても一分の狂いもにじみもない白と緋の境界線を持ち合わせており、最高の白肌の質と緋質を同時に見ることが出来ます。

模様は、値千金の「太い尾止め緋」と大きな緋模様が、「計算し尽くしたデザイン」を作り出しています。他を圧倒する顔から背いっぱいに広がる大きな緋盤と、明るさと品位を表現するため白地を多くとって変化を加えた後半の段模様。白地を均等に割り振ったため弱くなった後半もどっしりとした「太い尾止め緋」があることで、前半の大きな緋模様とのバランスをとり、大きく体いっぱいに描かれた模様を素晴らしいものにしています。

今年の大会総合優勝の錦鯉は、どこにでもいそうな鯉ではなく、最高の体、最高の質、最高の模様を兼ね備えた、非凡な銘鯉中の銘鯉なのです。

成魚の部総合優勝
品種区分/部別

大正三色/第63部

成魚の部総合優勝
受賞者(都道府県) 加藤栄作(千葉県)
加藤栄作さん
加藤栄作さん
【コメント】

成魚の部総合優勝を飾ったこの鯉の魅力は、強烈すぎるほど強烈な左肩の大きな墨です。見るものに強烈な印象を与えるこの「大きな墨」は、全ての審査員・観客の度肝を抜いたことと思います。

大正三色の命は「墨」と言っても過言でないほど、墨が重量視されています。それは、緋は「質の良い緋盤」さえもてば生産者の技術でいかようにでも美しい緋色をつけ加えることができますが、墨だけは鯉の体内からグッグッと浮かび上がってくるものであって人の力ではいかんともしがたく、まさに鯉自身の天性として持ち合わせたものがなければ「墨質」は表現できないからです。だからこそ、この鯉の「漆黒の大墨」は、積年「鯉師」が追い求めたすえに誕生した究極の墨だと思います。

さらに、「胴部に広がる純白の白地」や「体いっぱいに描かれた3つの緋盤」が大きな墨と絶妙なバランスを保ち、より墨を際立たせることでその魅力を一層引き立てています。

成魚の部総合優勝を飾った鯉は、究極の墨が主役となった「感嘆の鯉」だと言えます。
若鯉の部総合優勝
品種区分/部別 紅白/43部 若鯉の部総合優勝
受賞者(都道府県) 金子満三(長野県)
金子満三さん
金子満三さん

【コメント】

若鯉の部総合優勝を飾ったこの鯉の魅力は、その「質」にあります。

一見して部総合優勝を勝ち取ると思えない模様ですが、カミソリで裁ちきったような見事な緋際があり、わずかに覗く白地もよりきわだった美しさとなっています。「緋盤の練り込みの厚さ」も他の追従を許さないほど厚く、顔から尾筒緋まで均一で極上質の緋質を見ることが出来ます。まさに、その「質」で優勝を獲得しました。

全日本錦鯉振興会の品評会では、美しさを極限まで追い求めるため、錦鯉の「質」が重要視されます。国際錦鯉普及センターの若鯉品評会速報をご覧の世界中の錦鯉愛好家には、「質」は「模様」に優先することをこの鯉で学んでいただきたいと思います。

幼魚の部総合優勝
品種区分/部別 ドイツ鯉/18部 幼魚の部総合優勝
受賞者(都道府県) 篠田養鯉場(新潟県)
篠田養鯉場さん

篠田養鯉場

【コメント】

幼魚総合優勝を飾ったこの鯉の魅力は、「形付きが良いこと」です。

丑蔵(篠田養鯉場)産のドイツ鯉の特徴である緋模様と墨模様が巧みに織りなしており、全体を美しくまとめています。今後、成長とともに墨が少し大きく出現し、今以上に調和の取れた優秀な鯉になると思います。

国魚賞はとれても総合優勝は取れないと言われる「ドイツ鯉」において、全国大会で二度も総合優勝を獲得した丑蔵産のドイツ鯉は、墨割れ、緋盤割れが多く優秀な模様が出来にくいドイツ鯉において、模様割れせず美しい模様を保ちながら成長します。28部でもドイツ鯉(ドイツ昭和)で国魚賞を獲得されているなど、ドイツ鯉では他の追従を許さない域まで上り詰めた丑蔵産の「ドイツ鯉」は、今や世界に名高いブランド錦鯉です。



国魚賞

品種 受賞者(都道府県・国)
63部 写りもの
宮川美子(岡山県)
58部 大正三色 矢倉母(大阪府)
53部 大正三色
大久保 智(愛知県)
48部 大正三色
星野 修吾(東京都)
43部 昭和三色
藤原秋雄(新潟県)
38部 昭和三色
尾関克悟(愛知県)
33部 紅白
上野武男(埼玉県)
28部 ドイツ鯉
野田 昭(静岡県)
23部 紅白
長谷河義之(熊本県)
18部 紅白
桧垣幸三(広島県)
15部 昭和三色
次郎兵エ(新潟県)
12部 紅白
町田諭司(群馬県)
※受賞者は各受賞鯉の所有者です

国魚賞63部
国魚賞63部
国魚賞58部
国魚賞58部
国魚賞53部
国魚賞53部
国魚賞48部
国魚賞48部
国魚賞43部
国魚賞43部
国魚賞38部
国魚賞38部
国魚賞33部
国魚賞33部
国魚賞28部
国魚賞28部
国魚賞23部
国魚賞23部
国魚賞18部
国魚賞18部
国魚賞15部
国魚賞15部
国魚賞12部
国魚賞12部
種別日本一
品種 受賞者(都道府県・国)
紅白 63部
Mr.Tepsit(タイ)
大正三色 63部 加藤栄作(千葉県)
昭和三色 53部 余 昭明(中国)
写りもの 63部
宮川美子(岡山県)
光り無地 53部
和泉屋養鯉場(新潟県)
光り模様 63部
ARRON STANDING(イギリス)
浅黄 63部
小林伸之(京都府)
秋翠 63部
津山稠生(和歌山県)
五色 63部
白井康夫(山梨県)
変わり鯉 58部
木内錦鯉(茨城県)
A銀鱗 58部
矢作弥寿男(埼玉県)
B銀鱗 48部
黄 創増(中国)
べっ甲 58部
Royal koi Center(インドネシア)
光り写り 63部
伊藤哲夫(長野県)
丹頂 58部
葦名 彰(大阪府)
63部
山内康弘(東京都)
ドイツ鯉 63部
玉川一雄(滋賀県)
孔雀 63部
小松茂雄(長野県)
九紋竜 63部
岡田隆平(東京都)
※受賞者は各受賞鯉の所有者です

紅白
紅白
大正三色
大正三色
昭和三色
昭和三色
写りもの
写りもの
光り無地
光り無地
光り模様
光り模様
浅黄
浅黄
秋翠
秋翠
五色
五色
変わり鯉
変わり鯉
A銀鱗
A銀鱗
B銀鱗
B銀鱗
べっ甲
べっ甲
光り写り
光り写り
丹頂
丹頂
衣
ドイツ鯉
ドイツ鯉
孔雀
孔雀
九紋竜
九紋竜