第24回錦鯉全国若鯉品評会入賞者速報
第24回錦鯉全国若鯉品評会今年で24回を数える、錦鯉全国若鯉品評会が4月8日(土)・9日(日)に開催されました。

この品評会は、全日本総合錦鯉品評会、(社)全日本愛鱗会全国大会と並び日本三大品評会と評され、いまや世界に名だたる品評会となっています。世界各国の愛好家から出品された体型63cm以下の若鯉が一同に介し、将来性豊かな錦鯉達がその美しさを競い合います。
今回大会も2名の海外愛好家が国魚賞を受賞するなど、1月の全日本総合錦鯉品評会同様名実ともに世界大会となりました。世界中の若鯉の中から選ばれた今回の受賞鯉が今後どのように成長し、その美しさを増していくか注目です。

総合優勝に輝いた4尾の錦鯉は写真とコメントを、国魚賞、種別日本一に輝いた30尾の錦鯉は写真と共に、各章の受賞結果をお知らせします。

国際錦鯉普及センター理事長:樹神衛(こだままもる)

平成18年4月8日(土)・9日(日)開催
主催:全日本錦鯉振興会
後援:東京都、新潟県、群馬県、栃木県、茨城県、埼玉県、千葉県、神奈川県、山梨県、長野県


大会総合優勝
品種区分/部別 紅白/第63部 大会総合優勝
受賞者(国) 大久保 智(愛知県)
受賞風景
受賞風景(写真は代理人)

【コメント】

チャンピオンの条件は、 『どの鯉にもまさる優秀さをもつこと』と 『どの鯉にもまさる魅力をもつこと』です。

この鯉の優秀さは、背に大きく描かれた鞍がけ緋と尾止めの緋です。 特に尾止めの緋のあり方は理想的で、こうした尾止め緋をもたないと銘鯉とは言われません。また、背の緋模様も力強くデザインされ、尾止め緋と対になってどの鯉にもまさる優秀鯉となっています。
次に、この鯉の魅力は、純白な肌と丸点模様、背の真っ白さです。
この2つの条件をみたすことによってこの鯉はチャンピオンとなったのです。

例えば、この鯉と競った63部の昭和は質の優秀さから来る美しさはありますが、チャンピオンの条件である「どの鯉にもまさる優秀さ」において紅白に一歩譲ったのです。

この鯉の体型、質、模様の条件は申し分なく、チャンピオンにふさわしい優秀さを兼ね備えております。体型は伸びやかな見事な体型をしており、質も白地は純白でその白地の美しさは際立っております。緋質もその層も厚く均一な緋盤で最上級の質で、模様も丸点4段の変化にとんだ力強いデザインを持っています。この鯉は、チャンピオンにふさわしい鯉と言えましょう。

成魚の部総合優勝
品種区分/部別

昭和三色/第63部

成魚の部総合優勝
受賞者(都道府県) 朔 進(福岡県)
受賞風景
受賞風景(写真は代理人)
【コメント】
今大会の会場内でもっとも人々の目をひきつけた鯉です。

それは体の輝き、体全体から光り輝いてその美しさを表現していました。特に、肩のおおきな真っ赤な緋盤、背の黒々とした墨の帯、後半の緋模様の美しさは、デザインからくる美しさではなく、この鯉のもつ「質の良さ」から生じる美しさです。模様も白地と緋と墨の三つの色でうまくデザインされた優秀な模様とは決して言いがたいのですが、それでも人々はこの鯉に美しさを感じたのです。この鯉のもつ白地の純白さ、緋の明るい輝き、上質な漆墨を見る限り、鯉における絶対条件は「質」であるということが理解できます。(模様ではなく、質であるということがわかります。)

若鯉の部総合優勝
品種区分/部別 昭和三色/38部 若鯉の部総合優勝
受賞者(都道府県) 了徳寺 健二(千葉県)
了徳寺健二さん
了徳寺健二さん

【コメント】
緋と墨の絶妙な組み合わせによって、独特のデザインが描かれた鯉です。

顔の緋模様、背の左右にまたがる緋、後半の緋、尾止めの緋はとても個性的で、その個性的な緋を墨が力強くサポートし、個性豊かな模様を作り出しています。品評会で有利な鯉は、こうした他に類を見ない個性的な鯉であることが重要です。今後大きく成長するにつれ、白地が純白になり、緋、墨がいっそう鮮やかに引き立ってくると、さらにその美しさを増すことでしょう。

幼魚の部総合優勝
品種区分/部別 紅白/18部 幼魚の部総合優勝
受賞者(都道府県) 小口 正(茨城県)
小口 正さん

小口 正さん

【コメント】
幼魚の優秀さを論ずる時、そのなかに若鯉、成魚と大きく成長するにしたがってどれほどの美しさが表現される優秀な鯉になるかということが重要視されます。

今回の品評会でこの鯉と競った多くの鯉のなかには、これにまさる優秀な模様をもった鯉が出品されておりました。そうした優秀な鯉と比較されながらもこの鯉が選ばれた大きな理由は、この鯉が大きく成長した際にそれらにまさる鯉となる条件が見出されたからなのです。当歳鯉においての審査は、そうした現代の美しさよりも将来の優秀さを十分考慮にいれて審査されるのです。この鯉の前半の力強い模様と、後半の明るい模様の組み合わせ、緋盤の厚み、緋のキワ等に現れている「質のよさ」等々によって将来の優秀さが推し測られたのです。


国魚賞

品種 受賞者(都道府県・国)
63部 紅白
Richard Tan(シンガポール)
58部 大正三色 Michael Romero(フィリピン)
53部 写りもの
大久保 智(愛知県)
48部 大正三色
星野 修吾(東京都)
43部 写りもの
鍔本 規之(岐阜県)
38部 紅白
矢作 弥寿男(埼玉県)
33部 紅白
益 正勝(広島県)
28部 写りもの
野田 昭(静岡県)
23部 紅白
土井 隆(広島県)
18部 大正三色
浅野 哲(東京都)
15部 大正三色
伊藤哲夫(長野県)
12部 大正三色
野々垣 英伸(愛知県)
※受賞者は各受賞鯉の所有者です

国魚賞63部
国魚賞63部
国魚賞58部
国魚賞58部
国魚賞53部
国魚賞53部
国魚賞48部
国魚賞48部
国魚賞43部
国魚賞43部
国魚賞38部
国魚賞38部
国魚賞33部
国魚賞33部
国魚賞28部
国魚賞28部
国魚賞23部
国魚賞23部
国魚賞18部
国魚賞18部
国魚賞15部
国魚賞15部
国魚賞12部
国魚賞12部
種別日本一
品種 受賞者(都道府県・国)
紅白 63部
大久保智(愛知県)
大正三色 58部 Michael Romero(フィリピン)
昭和三色 63部 朔 進(福岡県)
写りもの 63部
高橋 重勝(東京都)
光り無地 53部
富田 利明(埼玉県)
光り模様 63部
広瀬 美貴夫(愛知県)
浅黄 63部
加藤柾男(栃木県)
秋翠 63部
泥 信雄(兵庫県)
五色 63部
鈴木 司朗(東京都)
変わり鯉 63部
(有)成田養魚園(愛知県)
A銀鱗 63部
金子 公一(神奈川県)
B銀鱗 63部
石川 和之(福岡県)
べっ甲 63部
石川 和之(福岡県)
光り写り 58部
野々垣 英伸(愛知県)
丹頂 63部
横川 秀元(栃木県)
58部
穴澤 忠勇(東京都)
ドイツ鯉 58部
(株)小西養鯉場(広島県)
孔雀 63部
飯塚 三郎(山梨県)
九紋竜 58部
小林 武栄(埼玉県)
※受賞者は各受賞鯉の所有者です

紅白
紅白
大正三色
大正三色
昭和三色
昭和三色
写りもの
写りもの
光り無地
光り無地
光り模様
光り模様
浅黄
浅黄
秋翠
秋翠
五色
五色
変わり鯉
変わり鯉
A銀鱗
A銀鱗
B銀鱗
B銀鱗
べっ甲
べっ甲
光り写り
光り写り
丹頂
丹頂
衣
ドイツ鯉
ドイツ鯉
孔雀
孔雀
九紋竜
九紋竜