【コメント】
目に緋がのっていますが、一般には好まれるものではありません。これがあるだけでこの鯉を嫌う人もいるでしょう。しかし、鯉は全体のバランスが大事です。少々欠点があっても、それをおぎなうだけのものがあれば、それほど大騒ぎする必要はありません。この鯉が総合優勝を獲得したということはこのことを証明しています。
紅白/第63部
大変印象的な作品です。この泳ぐ宝石を所有するオーナーは大変幸運な方ですね。模様の良さは一目瞭然ですが、質がすばらしいのに目がいきます。特に目を引くのが、美しいキワです。一段目、2段目の後キワをみてください。すばらしい丸染めのラインです。同時に、尾の模様はかみそりギワになっています。深く、均一の紅に加え、このキワの美しさがこの鯉を一品にしています。
紅白の進化の歴史は、模様を、1段から2段、2段から3段への段模様への歴史でもあります。この鯉は5つの緋盤をもっています。これだけで、この鯉の価値葉上がります。その上、すべての緋がすばらしい調和をとって並んでいます。もしひとつでも、今の位置ではなく、1cmもずれていたら、バランスが崩れこの鯉は入賞できなかったかもしれません。将来有望な紅白です。
松沢秀治さん
どこからみても、完璧な鯉です。クリーンな頭から、完璧な三段の紅白模様を作っています。緋模様にそって、墨がすばらしい場所にでています。このような、鯉にとって大事な場所にでている墨を、ツボ墨といいます。肩墨、胴墨が三色として、エレガントな美をさらにかもしだしています。